犬の遺伝子検査ってなに?遺伝子検査ってどんな仕組みなの?

この記事は犬の遺伝子検査について説明しています。

「そもそも遺伝子検査ってなに?」
「どんな仕組みなの?」

すでに犬を飼っている方。
遺伝子検査を導入しようか迷っているブリーダー。
そんな方におすすめです。

この記事を書いたのは
夫婦でプードル専門のブリーディングトリミングサロンを運営し、毎日たくさんのプードルに囲まれて生活しているILIOの峯松が書いています。

 

遺伝子検査って何?

そもそも遺伝子検査って何?という感じですよね。
最近は人間でも遺伝子検査が流行っていますが、簡単に遺伝について説明します。

遺伝とはなにか?

先ず、遺伝についてです。

人もそれぞれ個性がありますね。
その個性のなかでも「生まれ」なのか「育ち」なのかに分かれます。

簡単に説明すると遺伝は「生まれつき」です。

母親と父親の個性を受け継ぐので、生まれつきトイプードルの子はトイプードルですし、チワワの子はチワワになります。

遺伝子の仕組みはどうなっているのか?

では遺伝子検査って何を調べるの?と思うでしょう。

細かくいうと血統や犬種、親子判定など様々ありますが、ここでは遺伝性疾患について説明します。

あなたは昔理科の授業でやったエンドウ豆の実験「メンデルの法則」を覚えていますか?

エンドウ豆の原理と遺伝性疾患の原理は一緒です。

遺伝性疾患の分類

遺伝性疾患かどうかは遺伝病の分類で決まります。
遺伝子は2つ1組となっていて下の表通りの3種類に分けられます。

分類 遺伝性疾患の可能性
クリア(AA) 遺伝病にならない。
キャリア(劣勢遺伝)(Aa)
キャリア(優性遺伝)(Aa)
劣勢遺伝:遺伝病にならない。
優性遺伝:遺伝病になる可能性がある。
アフェクテッド(aa) 遺伝病になる可能性がある。

 

遺伝の仕組み

先ず劣勢遺伝と優性遺伝で分かれます。

遺伝性疾患になる条件 代表的な病気
劣勢遺伝 (a)単体では発症しません。
(aa)となって初めて発症します。
・PRA(進⾏性網膜萎縮症)
・DM(変性性脊髄萎縮症)
・CEA コリー眼異常
優性遺伝 (a)単体で発症します。
(Aa)となっても発症します。
・フォンビルブランド病

次に親からどのように受継ぐと、なぜ遺伝性疾患になるのかを説明します。

 

劣勢遺伝の仕組み

劣性遺伝の病気はアフェクテッド(aa)の親からでないと発症しません。

クリア(AA)の親とキャリア(Aa)の親の場合
劣勢遺伝の場合)

A A
A AA(クリア)
遺伝病にならない。
AA(クリア)
遺伝病にならない。
a Aa(キャリア)
遺伝病にならない。
Aa(キャリア)
遺伝病にならない。

子犬は100%遺伝性疾患になりません。

クリア(AA)の親とアフェクテッド(aa)の親の場合
劣勢遺伝の場合)

A A
a Aa(キャリア)
遺伝病にならない。
Aa(キャリア)
遺伝病にならない。
a Aa(キャリア)
遺伝病にならない。
Aa(キャリア)
遺伝病にならない。

子犬は100%の確立で遺伝性疾患になりません。

キャリア(Aa)の親とアフェクテッド(aa)の親の場合
劣勢遺伝の場合)

A a
a Aa(キャリア)
遺伝病にならない。
aa(アフェクテッド)
遺伝病になる可能性がある。
a Aa(キャリア)
遺伝病にならない。
aa(アフェクテッド)
遺伝病になる可能性がある。

子犬は50%の確立で遺伝性疾患になりません。

 

優先遺伝の仕組

優性遺伝の病気はクリア(AA)の親同士でないと発症してしまいます。

クリア(AA)の親とキャリア(Aa)の親の場合
優性遺伝の場合)

A A
A AA(クリア)
遺伝病にならない。
AA(クリア)
遺伝病にならない。
a Aa(キャリア)
遺伝病になる可能性がある。
Aa(キャリア)
遺伝病になる可能性がある。

子犬は50%の確立で遺伝性疾患になりません。

クリア(AA)の親とアフェクテッド(aa)の親の場合
優性遺伝の場合)

A A
a Aa(キャリア)
遺伝病になる可能性がある。
Aa(キャリア)
遺伝病になる可能性がある。
a Aa(キャリア)
遺伝病になる可能性がある。
Aa(キャリア)
遺伝病になる可能性がある。

子犬は100%の確立で遺伝性疾患になります。

キャリア(Aa)の親とアフェクテッド(aa)の親の場合
優性遺伝の場合)

A a
a Aa(キャリア)
遺伝病になる可能性がある。
aa(アフェクテッド)
遺伝病になる可能性がある。
a Aa(キャリア)
遺伝病になる可能性がある。
aa(アフェクテッド)
遺伝病になる可能性がある。

子犬は100%の確立で遺伝性疾患になります。

メンデルの法則、思い出しましたでしょうか?

仕組がわかってなくてもうちの子が
将来遺伝性の病気になるのか?ならないのか?

うちの子の将来さえ知れればいいという意見が多いと思います。

わたしもそう思います☆

遺伝子検査で遺伝子性疾患を調べる必要はあるの?

「そもそも調べる必要あるの?」

とあなたも思うでしょう。

出来れば調べたほうがいい!

これが私の結論です。

犬を飼っているあなた

将来的な病気のリスクは把握しておくべきです。

家族が将来病気になる可能性が高いかどうか?
あなたは知りたくないですか?

病気のリスクがわかっていれば費用面や環境面で準備ができます。

仮に発症しなければ、それはそれでよかったと思えるはずです!

もちろんこのサイトは「調べてください」で終わりではないです。
その後の対策、具体的には遺伝子検査で遺伝性疾患が発見してからでも加入できる保険会社などを紹介します!

どうか安心して幸せなワンちゃんライフを過ごして下さい☆

ブリーダーのあなた

お願いです、調べてください。

すでに数十頭でブリーディングをしていると思うので、全頭を検査するとなると費用面でも安くないのはわかります。

遺伝性疾患は高確率で発症します。
日本のブリーダーの質を上げれるのは検査を実施するあなたです!

犬を飼い始めるお客さまを自分の家族だと思ってください。
遺伝性疾患を発症して自分の家族が困るのを見たいですか?

ぜひ遺伝子検査を初めてください!!

 

まとめ

今回は遺伝子検査の基本です。

実際に遺伝子検査をする場合、おすすめの会社は次の記事でまとめていますので参考にしてください!

そして遺伝子検査で病気が見つかった場合、その後の対策も別の記事でまとめていますので参考にしてください!

わたしは手の届く範囲で小規模のブリーディングをしています。
なので遺伝子検査をするのも容易です。

規模の大きなブリーダーさんなどは全頭に遺伝子検査をするのは大変なのも知っています。

ただ、願わくば日本のブリーダーは全頭に遺伝子検査を実施する。
これが当たり前の時代になることを願っています☆

 

最後に
犬は生き物であり家族です。
自分の理想と違ったからといって途中で飼育放棄はしないでください。
言うことを聞かないからといって虐待もしないでください。
全てのプードルと、あなたによい出会いがあることを願っています。

 

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